ウラコイ2 銀幕の旦那様


「……」




「…だから息子に見合いを強いるんですか?」


「君が聞きたかったのはそれか…」



勘十郎さんはじっと俺をみる。



「市村はあなたのせいであなたみたいに自由に恋愛ができない。誰か一人を本気で好きになれない…あなたは知ってるはずです、それがどんなに辛いか…あなたがいかなかった道を彼に強いるのが愛情なんですか?」





「……」



「勘十郎さん、」









「もういい、神田」




後ろをみると市村がいた



「勘太郎…」


「お前…隠れてたのか。」




市村はふっと笑った




「やっぱりてめぇ親父を説得しようとしてたな。ったく…いいんだよ、俺は…さ」


「…わりい。けど…」




「分かってる分かってる、」



ハイハイと手をふった



「これは俺と親父が話さなきゃならねぇ話なのに悪かったな、神田。」



「……」


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