ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…いずれ決められた人と結婚するからですか?」
「神田から聞いたのか…そうか、つながったよ。なんであんなに親父に会いたがってたのか…君の為か……」
いや正確にいえば 彼女の為か
「市村さん、」
「君はおれをどうしたいの?」
「あたしは…」
言いよどむ言葉
試すようにきくおれもおれだ
どうしても口調がきつくなる
わざとではない…
いらいらしているからだ
「……市村さんに真剣になって欲しいです、」
「なにに?」
「全部に。…市村さんをみた時あたしは余裕のある人だなって思ったんです。なんていうかいい具合に力が抜けてるし……けどそうじゃないんだ、って…最近感じました。余裕があるんじゃなくて、どうでもいいだけだからああ見えるんだって…」
「…」
どうでもいい…
真剣にやったよ、
歌舞伎も人生も何もかも…
親父に 見合いしろと言われ反発もした、
『おれは親父の人形じゃない。』
『人形じゃないのは分かっている』
『息子には自分みたいな想いさせたくないって綺麗事かよ…!今までちゃんとしてきただろ、好きな人間くらい自分で決められる、親父みたいにはならない』