ウラコイ2 銀幕の旦那様
「あたしが言うのもなんですが、はっきりさせてあげて下さい。…一条さんのこと。苦しいだけです…」
「…」
「あなたが家の事情があることは知っています。けど……っ」
めぐみさんがかわいそうだ
好きなのに
ただつらいだけ…なんて
つらいだけだ
「あなたの妹の為に神田が僕の父と話したのは知っているはずですが、…」
「知ってます。神田君があなたと話したとききました。どうにもならないと…ですが…」
本当にどうにもならない?
可能性は残っていないの
「…もし自由になったとしても…恋愛できる自信は僕にはありません。」
「そんなことありません。きっと恋愛できます」
この人は ずっと前のわたしみたいだ
恋をしたくない…
恋してわたしを
捨てた母なんかにはなりたくない
意地を張って 拒絶していた
けど
翔太君がもう
一度引き上げてくれた
「わたしも昔はそう思っていました。他の男の人を好きになった母みたいになりたくない…だから恋愛なんかしたくないと。でも…」
変えてくれたのは あなた
みちるさん…。
人を好きになるのは
確かにつらいこともある
けどそれだけじゃない
この人はその面しか
見てないからわからないのだ