ウラコイ2 銀幕の旦那様
「聞いたんだよ、何でそう呼ぶのかって。したらな…」
『あきちゃんて呼ぶの。あのね、あきらめちゃだめって意味なの、わたし…あんまり体強くないし、もしかしたらこの子も自分もそうなるって思ってるのかもしれない…。-だけどどうしてもちゃんと私と修介君のところに来て欲しいの』
『だってずっと待ってたのよ、わたし。叶わないと思ってたんだから、』
瞳は笑った。
「だからお前の名前は生まれる前から決まっていた。…名前が決まっても瞳はお前のこと、あきちゃんと呼んでいた。」
あきらめちゃだめよ。
あなたもわたしも…
いつからか わからないが
その言葉は聞いたことがあった
つらいときあたまをかすめる
あきちゃん。
あれは母の声…、
「…わたしはお前が生まれて嬉しかったが同時に妬ましかった。瞳はお前が生まれたらずっとお前にかかりきりで、わたしはいつも蚊帳の外だったからな…。」