ウラコイ２ 銀幕の旦那様

「つらいですよ。…それはどうしようもないじゃないですか、」



「…誰か好きな人がいたの？」




「……ちょっと仕事関係の人に、一時期それに似た感情を持ってました、けどいまは全く…。」


「そうか…」


「でも途中気づいて、不毛だなって。だから別の人を好きになろうと思ったけどずっと機会がなくてずるずる…で好きかもって思った市村さんはあんな人だったし…」



明るくはきはきと
話す彼女に寂しさはない


「それは悪かった…。」

「…なんて。けどあたしたくさん悩んだんですよ。でもまぁこうして話してくれて良かったです、」



笑っておれをみる


おれを好きだという彼女

どこがいいんだ、こんな自分。










わからない…。
でも



あの橋で彼女を見た時を思い出す





高いヒールを履いて
きれいに見せてる癖に



顔はおよそきれいには
見えない泣き顔をした彼女




「おれは…きみの事は嫌いではない、面白いと思う。…一条さん、」





「はい？」


わからない



けど





「きみの事を知りたい。おれはまず何て聞いたらいいんだ？」











『親父、ひとつ聞いていいか？なんで急におれを自由にしたんだ』


『てめぇを……笑わせたいって気付いたからだよ。舞子さんの話を聞いて思ったんだ…お前は昔から滅多に笑わなかっただろ。ガキの分際で…。』