ウラコイ2 銀幕の旦那様
…ほんとうに?
「みちるさん?」
「…えとごめん。なんか……翔太君。ごめん……ちょっと考えさせて、」
なにを考える必要があるの。
あちら側に…
私は行くつもりはない
ないけど 翔太君にはそう見える
…。
みちる。
一時期はそんな風に考えたことがあった
あちら側に
いけたらどんなに楽だろうと…
きっとわたしがいなくなっても
なにも変わりはしない…
私を必要だと
言ってくれる人はもういない
ただ毎日が変わらず流れていくだけ。
ほんとうにそれだけ…
ならいても、
いなくても同じじゃない
なんで わたし
ひとりで生きてなきゃならないの
お父さん、怜一さん…
まるで…遠い昔みたい
14才の頃
わたしは
何もかもが分からなかった…
一瞬で 地獄に突き落とされた
あの冬…