ウラコイ2 銀幕の旦那様
お父さんと過ごした最期の冬
「お・と・うさま~」
「なんだい。わがまま姫様」
「何でもなぁ~い」
私はえへへと笑った
「ねぇ今年は雪降るかなぁ。去年みたいにまた長野にいきたいなぁ」
「どうだろうな。」
父はカメラマンで忙しかった
けど何年か前から専属とかになり
仕事も大分落ち着いていた
「スキーしたいなー、ひゅーって…」
「プロにでもなる気ですか?槌谷選手」
わたしは笑った
楽しかった
お母さんはいない
同級生の子はお父さんなんて
ウザイったいと言うけど
そんなことない
お父さんは優しい…
ウザイとか言う子達の
言葉が信じられないくらいだ
料理はうまいし優しいし
あたしを大事にしてくれている