ウラコイ2 銀幕の旦那様
「優しいか?弥生さんは」


「うん…。」


本当のお母さんみたいにやさしい





何回も何回もそう思った

なんで彼女がわたしのお母さんじゃないのだろう




なんで?


なんで…



「…」



「お父さんも考えたんだけどな、でもやっぱり駄目だと…感じるんだ。怜一の事もあるし、…お父さんは最初に弥生さんを選ばなかったから…」


「…なんで」



「お父さんは、弥生さんの気持ちにも気付かなかったし…何より一番にお母さんを選んだ。だから…な、」







なんで

お父さんにわたしを
押し付けて逃げたくせに…



憎たらしい母


お父さんもお父さんだ


放っとかされて なにが駄目なの。

駄目なのはお母さん…


みんなみんなあの人のせいなのに







お父さんは 全部あの人の為に捨てないつもりなの

プライドも わたしも、




悔しい


悔しい





一番悔しいのは
わたしがあの人の子だと言う事




お父さんと一緒で幸せ


だけど 欲を
言うならお母さんがいて欲しい





お父さんに言えない事だってある


わがままだっていいたい










弥生さんだったら いいのに



きっと優しい
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