ウラコイ2 銀幕の旦那様
「怜一さんより?」



弥生さんは困った顔をして笑った



「あの人と同じくらい好き、って言ったら怜一さん怒るかしら、私は前は潤さんが好きだったの。けどダメだったから…だからってあの人を選んだ訳じゃないのよ、けど…」



「……お父さん馬鹿だね。」


「え、みちるちゃん?」


つい口をついて出てしまった



「気にしないで。弥生さん、本っ当にバカだよね。お父さん、弥生さんこんないい人なのに」














わたしには分からない大人たちの理屈



お父さんを好きだった弥生さん
けどお父さんは あの人が好き…




くだらない くだらない




いない人を想ったって仕方ないのに…


その人がなにもしてくれない癖に





もどかしい
















「みぃちゃん」





「…翔太君。あら弥生さんは、」



翔太君は首をふった


「周にゲーム教わってる。教わっても次には忘れてるのに…」





小さな翔太君はイスに座った


中々ドライな子。








「翔太君は昨日何してたの」


「本読んでた、台本。父さんの…『昭和ラブ…』なんとか…。」




台本…!
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