ウラコイ2 銀幕の旦那様
「面白かった?」
「うん。…最後まで読もうとしたら周に台本取り上げられた。もう12時過ぎてて、…さっき周の部屋から取り返してきた」
台本をテーブルにたてた
「…」
「…なんでみぃはいつも笑ってないの。」
「へ…」
翔太君は台本を見たまま話す
「…笑ってるのに、泣いてるみたいな顔してる。ゲームの時も…」
「…泣いてなんかないよ。」
よく周りを見ている子だ
「…嘘つきは泥棒だよ」
「それを言うなら泥棒のはじまり…」
泣きそうになった
翔太君には見抜かれていた
あんな小さいのに
わたしのことに気づいていた
「…みぃが泥棒なのは母さんには言わないよ。」
「ありがと…」
翔太君は台本を閉じて笑った
翔太君は覚えてないだろうけど
わたしを 助けてくれた
つたない言葉だけど、
精いっぱいの気遣いを感じた