ウラコイ2 銀幕の旦那様
弥生さんだ
葬式にくる人みんな わたしを見る
わたしを呼ぶ
お父さんと仕事をしていた人
かわいそうに…
まだ若かったのにねぇ
娘さんは どうなるんだろうね…
なんでも弟さんが引き取るらしいよ…
本当可哀想だよ…
涙も出なかった
まわりは泣いてるのに…
むしろ泣いてる人間を不思議に思った
「泣きもしないよ あの娘」
「薄情だねぇ。親が亡くなったってのに…」
火葬場にいく時聞こえた
その人達に言いかえす気にすらならなかった
けど
「…っ、我慢してんのがわかんないのかよ。もっと人の気持ち考えて物言いやがれババァ!」
「こら周!すみません」
周君…
わたしは周君を見た
本気で怒っている顔
久しぶりにみた気がする
あんなにわたしにえらそうに言うくせに
彼はわたしをかばってくれた