ウラコイ2 銀幕の旦那様
…
いまさら気づいてももうなにも出来ない
ただ後悔 するだけ
それだけ
なんでもっと
早くに気づかなかったのか?
そうしてたら…
父は死ななかったかもしれない
毎日わたしは忘れてるフリをした
いつからか だんだん苦痛になっていった
笑うことを作ることが、
高校2年のある日
ふと死んだら
楽になるんじゃないかと思った
なんで
もっとこうしなかったんだろう
わたしは 学校をさぼって街をうろついた
人がたくさんいる
でも わたしを
必要だという人はいなくて
なら…
いなくなっても分からないでしょ
人のあまりいない交差点
信号が赤に変わる
「なにしてんだよアンタ!」
パアァーと車のクラクションがした
手をひかれる
学生服の男の子が 息をきらしていた
「あ…、」
「……馬鹿なことするな!」
「す…すいません…、」
殺気だった顔をしていた
「……くん!駄目だよ勝手にいなくなったら…」
「すいません水野さん、」
ミズノサン?
手は離された
だれかに似ている……
だれだろう