ウラコイ2 銀幕の旦那様
「あなた聞かなかったの?みちるに、」



「…はい」




情けない返事だ
なんで聞かなかったんだ




自分のことで手一杯だった…


知らなくてもいい…
話さないなら聞かなくていいなんて




そんなのただの甘えでしかない




おれは知ることから目を逸らしていた

ちゃんと見なければわからないのに…



「まぁ色々あったしね。あなたたちも別に、説教なんかしないわよ」



あっさり笑いながら流した
こういうとこは本当にサッパリしてる





「すみません」



「きっと弥生さんなら知っているわよ。潤さんの弟のこと。わたしはちらっと会ったくらいだからわからないけど…」






母さんか。



槌谷潤 神田怜一…



に関することで唯一知ってていま生きている人間





「ねぇ神田弟。」


「はい、」









「みちる、ずっとひとりだった。昔もいまも…。どんなに大事にしてくれる人がいたところで結局は一人で、……。だからか普通の幸せっての分からないのよ、あまりに一人でいすぎする事に慣れちゃって…幸せとかそういう感情に鈍くなってるのよ、みちるは…」



幸せに鈍い
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