ウラコイ2 銀幕の旦那様




「兄貴は自慢気にビデオ見せてくるし…んで仕方なくホテルぶらついてたん……みちるさんに会ったんだよな、確か……」



「…翔太くん?」




翔太くんは 話しを続ける



なにがなんだかわからない




「ちょっと話して雪を見に行った時にみちるさんおれを置いてどこかいっただろ。すぐ見つけたけど、あの時おれは……怖くなった…あんな思い詰めた顔みた後に…姿が消えて……雪しか見えなくなって…」





「…」



「……おれ二度も同じことを聞いてたんだな。みちるさんに…」



“みぃ、いなくならない?”





ポツリと呟くみたいに言った言葉






わたしはごまかした。



こんな小さい彼にまで自分の心を当てられて



…恥ずかしい


けれど













同時に彼の前で
すべてさらけ出して泣きたい






とも思ってしまった…

この子はわかってくれる
受け止めてくれる














それはできないと悟った



あんな小さい子に頼って泣くなんて…




だめ


彼がわたしの苦しい事をすべて引き受ける



わたしは楽になる
でも……そんなのあんまりだ



あまりにも彼が可哀想だ

わたしを心配する優しいひと







たぶん


こんなにも汚い気持ちを精一杯理解しようとするだろう



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