ウラコイ2 銀幕の旦那様
「あれ、槌谷は…」
「さぁ…休憩所じゃないですか」
千広先輩は そうかと言った
機材が壊れて 撮影は止まっている
監督がのんびり
待ちましょう と言ったから
待つ以外できない
「ちょっと旬、あんたあれなおせない訳?」
近づいてきた旬に言うと
相変わらず
真面目な顔で出来ませんよと笑った
「…ちょっと古い機材だったみたいで、まぁあと少しでなおるみたいらしいです。」
「ふぅん…、」
「なんか不機嫌だね、美帆さん。……そういえば槌谷さんがいないからか。神田さんも…」
「ヨケーなこと言わないでよ。放っときなさい…戻ってくるわよ」
旬の勘の良さはこういう時余計だ
千広先輩は 腕組みしながらなにも話さなかった…
「教会…。」
「小さいけどね、なかなか雰囲気あるな」
翔太くんに案内されてきた
洋館の外にあった小さな教会。
「…懺悔したら?神さまが聞いてくれるよ」
「うん…。」
神様なんていない…
「翔太くん、神様はいると思う?」
「…神様?いるんじゃないかな、少なくともいてくれなきゃ憎めないね」