ウラコイ2 銀幕の旦那様

「憎めない?」



「…親父が死んだ時にさ母さんに聞いたんだよ。“お父さんは天国にいったのよ”って…。どんなとこって聞いたら“神様のいる良いところよ”って、おれはそれ聞いて神様ってのか嫌なヤツだと思った…勝手に親父を連れて行って母さんだけこんな目に合わせてさ…、」




すこし離れたとこにある
十字架を見ながら言った




「小さかったから、親父のことははっきり覚えてないんだ。仕事でほとんど家あけてたし、だから…」



「そっか…」





あぁと 翔太くんは思い出してみたいに話した




「『お前の心まで神様になんかやらない。そんなもんまでヤツにくれてどうする。お前の心はお前と俺のもんだ、誰にも渡せないし、渡しちゃいけねぇ。』」


「…台詞?」




しんとした教会に響く 低い声



「昭和ラブロマンスの台詞。親父の台本の中で一行も書き込みがなかった。新品かってくらい真っ白で…」



お前の心はお前とオレのものだ


神様になんかやらない。



「…好きだけど引き裂かれてヒロインが神様のせいだって嘆いたあとに言った台詞なんだ。」



「…」




「みちるさん。」




「…なに?」









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