ウラコイ2 銀幕の旦那様


「それは…、」




そうだ
死なないで欲しいと




「そう言ってるよ。けど死なないなんて無理だ。親父や潤さんだってあの事故でなくならなくてもいつかはいなっていたんだ…」




「うん…」



いつかはいなくなる
それが早かっただけのこと


誰かが似たようなことを言っていた




言って慰めようとしていた

わたしを




ふっと怒りがわいた
なにもわからないくせに…





わからないくせに。




「なにもわからないのにそんなこと言うんだね。」



「…みちるさん?」




怒りが だんだんわたしの中で大きくなる





「わからないから言えるんだよ。そんなきれいごと、」


「きれいごと、って…」



とまらない、イライラする…





「きれいごとでしょ?人はいつか死ぬ、だから仕方ない。って言うけど…そんな簡単にわり切れない…わり切れるわけないよ。翔太君になんか…わからないよ!大事な人が死んで本当に一人になった時の気持ちなんか!…」










涙が頬を伝う



うらやましかったの
あなたが




みんないる


あなたをいちばんに
大事にしてくれる人がいる



甘えられる人がいる






それがどんな
大事なことかも知らないでいる


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