ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…」
「信じられない?」
ゆっくり首をふる
翔太君は約束をやぶるような人じゃない
「俺はあなたを置いていかない。もう二度とあんな風に泣かせたりしない」
「…二度と?」
翔太君はあぁと頷いた
「…あなたが潤さ…父親の葬式のあとひとりで泣いていたの知ってるんだ。たまたま通りがかったら、泣き声がした。押し殺すみたいな…声がした。」
「みちるさんは気付かなかったみたいだったからおれはなにも言わなかった。けど……無視なんか出来なくてずっと背中をさすってた」
……あの手は彼だったのだ
胸が いっぱいで喉から言葉が出てこない
思い出が頭をかすめる
「……」
「あの時はなにも出来なかったけど、いまは違う。みちるさんを慰められる力がある、抱き締められる腕がある。受け入れられる心がちゃんとある。」
-嘘つきは泥棒だよ?
「…本当に大丈夫?」
「平気だよ。みちるさんを面倒くさいなんて思うもんか。俺はあのワガママ母さんに育てられたんだ。免疫はついてる、もしなにかあったら話そう。ふたりで……、」
ふたりで。
「誓おうか、神さまに。」
翔太君は 十字架の近くの祭壇の前にいった