ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…母さん」
『ん?』
ひとしきり笑い終えて母さんは聞き返した
「親父に結婚してくれって言われた時は嬉しかった?」
俺はこのことがききたかった
『もちろん。まぁ不安もあったけどね、怜一さん本当に人気俳優だったし…。嫌がらせされたりしたけど、やっぱり好きだったからね…』
最後の一言だけ独り言みたいに聞こえた
好きだったから…
みちるさんは 怖いと言っていた
俺は 大丈夫だと言った
“結婚”
まだ早いという人も
いるが俺はそう思わない
なにも悪いことなんかない
帰ったら好きな人がいてくれる
ずっと自分をみていてくれる
もうきれた電話を見ながら思った
怖いのは俺も同じなんだよ
みちるさん
たぶんあなた以上に怖い
あなたが傷付くのが怖くてたまらないんだ