ウラコイ2 銀幕の旦那様
気付けばもう撮影もあと
4、5日で終わる
もう8月も 終わる…
動きだす…すべて
「み…槌谷さん。」
「あぁ…神田君。お疲れさま」
さっきまで工藤君が座っていた椅子に座る
ぼうっと考えていて
立ち上がる気持ちもなかった
「部屋にいないから…来てみたんだ。」
「うん…」
「なにかあった?」
「…うん」
ふっと息をはく音がした
「部屋で話そう。なんか泣きそうな顔してる」
すこし呆れ声でわたしに言った
水野さんに人払いを頼み
わたしは久しぶりに彼の部屋に行った
「で…どうしたの」
「……美帆との結婚を工藤君のお父さんが反対してて…、工藤君がもし無視して美帆と結婚するんならわたし達のいる会社をつぶす…って」
「…つぶす?」
翔太君はオウム返しに聞いてきた
「うん、さっきわたしも話を聞いたばかりで…。」
「……それは酷いな…」
ベッドの端にすわりながら翔太君は言う
「美帆もちょっと…いや大分落ち込んでて。私も不安になっちゃって…」