ウラコイ2 銀幕の旦那様
部屋にはなんとか夜中のうちに帰れた
「美帆…」
「ん?あぁ…ちょっと寝れなくて、悪いわね」
かなり遅い時間なのにベッドの明かりをつけていた
「大丈夫?」
「平気よ…。あんたこそ大丈夫なの?あんな話しちゃって…まぁ大丈夫か」
いつもみたいに笑った顔をしたけど
どこか不恰好な感じがした
多分…無理に笑ってるからだ
「…美帆」
「やだしけた顔しないでよ。大丈夫よ、こんなのへでもないんだから…。」
「みちる…、」
「ん、」
「何もかも上手くいく訳じゃないのね。いくら頑張っても…わたしの力じゃ叶わないことたくさんあるのね」
美帆は 真顔で呟いた
「…そうだね。」
叶わないことがたくさんある…、
けどすべて叶わない訳じゃない。
「…寝ようよ。美帆、明日にひびくから…クマつくってたらまた工藤君心配しちゃう」
「…そうね。クマひとつで真剣な顔して聞いてくるんだから、女々しくて仕方ないわよ…旬の奴」
パチンと明かりを消した
もっとなにか言うべきことがあるのに
言葉が出てこなかった