ウラコイ2 銀幕の旦那様
「久しぶりだねぇ。槌谷さん」
昼休みが始まったと同時に 勘十郎さんが声をかけてきた
何日か暇…休みをつけたらしく
スタジオに遊びにきてる
市村さんもクランクアップしたけど
勘十郎さん同様に遊びにくる
「あ、どうも…」
「勘太郎が世話をかけたみたいで…、すみませんでした」
丁寧な言葉つかいが気持ちいい
「そんな…わたしは…」
「少し話が出来ませんか。ご迷惑でなかったらですが…」
「はい。構いませんが…」
頷いたら 微笑んだ
市村さんに似ている笑い方だと思った
「美味しいです。」
近くの和食屋にはいり 昼食をとった
「良かったです。槌谷さん、」
「はい…」
「神田君と付き合ってるらしいね。ちょっと聞いたよ、晶良に」
「はい。」
わたしは思わず小さく返事をした
責められるのだろうか…
「いやいや別に怒ってるんじゃない、他人様を責め立てられるくらい私も立派じゃないし…。」
「…」
「なんで神田君が私に話を聞いてくるのかが知りたかったんだ。急だったから。でも…君の為だと聞いて納得したよ」