ウラコイ2 銀幕の旦那様



「好いてる人のために必死になるのは当たり前だからね。昌良が一条さんと君には関りがあると言っていたからね、」


「はい…」




勘十郎さんは的確な言葉だけを選んで話している



全部知ってる けれど

私が困るのを知ってか無理なく
応えられるように話してくれてる



一条さんが私の義理の妹なのも多分知っている…




自然な気遣いが嬉しかった


「…神田君にも君の事を言ったらそうだと言っていたよ。話せないわけじゃないけど中々おおっぴらにも出来やしないからね…こういう業界では」

皮肉るように 口だけで笑った



「そうですね…。ちょっと難しいです、いろんな人に嘘をつかなきゃならないし…」



「…槌谷さん。結婚てぇ意味の英語は分かるかな」


「ウエディングですよね」



そうだよと勘十郎さんは言った


「ウエディングの元々の意味は“賭ける”という意味の言葉だと聞いたことがあるんだ」



「賭ける…」


「結婚は一世一代の大博打だと言うだろ。相手にどこまで自分を賭けられるか、負けちまっても…共に死ねる覚悟はあるか…」


勘十郎さんはタバコ吸っていいかいと聞いた


私が はいと言うとすぐに火をつくた



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