ウラコイ2 銀幕の旦那様
母さんは おれが買ってきた土産とお茶をテーブルに出した
「まぁみちるちゃんもいたから楽しかったでしょ…」
「そういえば海江田監督どうだった?相変わらずマイペースだろ」
兄貴は勢いこんで聞いてきた
「まぁ…撮影がギリギリ終わったのが奇跡かっつうくらいマイペースだったな。スタッフもあの人にたじたじだったしな…」
「だろうなぁ…。あの人マイペースな変人監督って有名だかんなぁ、」
土産の八つ橋の袋を開けながら兄貴は言った
「失礼な事言って…確かに変人なのは変人だけど撮る映画は確かよ…」
母さんはお茶をすすった
「…なぁ兄貴、母さん話があるんだけど、」
「「なに?」」
二人同時に聞いた
「結婚の事。母さん…美麗さんて知ってるよな、潤さんの…」
「え…えぇ。」
「実は…映画で美麗さんの娘…みちるさんの義理の妹の一条さんて子に会ったんだ。その子に頼んだ、会わせてくれって…」
母さんは 少し目線を下げた
「わざわざ会わせるの?彼女はみちるちゃんを置き去りにしたのよ…みちるちゃんだって苦しんだわ、なのに…」
「わかってる。けど唯一の肉親だ、一応報告はしときたい。みちるさんは了承してる」