ウラコイ2 銀幕の旦那様
3年前は茶髪だった髪は真っ黒になっている
「志摩ちゃんとは相変わらず進展なし?」
「なっし、デート誘っても突っぱねられるし。飯も月イチだしさ…まぁ惚れた側だから仕方ないけどさぁ…」
甲斐田くんは志摩ちゃんを好きらしい…
けど志摩ちゃんは チャラ男
とは付き合えないと振り続けている
「けど順調じゃない?前はご飯も断られてたし…」
「そうだけどさ、あ、神田…おひさ。なに、お前いま休みじゃなかったっけ?」
振り返ったら翔太くんがいた
青いシャツにジーパンというラフな格好だ
「“新時代”の取材受けてた。なんか取材漏れがあったつって…あまりに暇過ぎたから来た。…」
“新時代”とは
多ジャンルの人に密着して
取材をし本人の生き方、仕事の仕方などを探る…ドキュメント番組
結構面白い番組だ
「あっそ、“新時代”かぁ。お前取材受けてたなぁ、おれにも来ねえかな。ま、いいかじゃあな…」
甲斐田くんはヒラヒラと
手を振って廊下を歩いて行った
「お疲れさま」
「お疲れ…」
眼鏡(ダテ)をシャツでふきながら言った
「…たしか『くじら』の時も密着してたね、“新時代”のカメラ。」
「あぁ…うん。まぁ…あ、いま時間あるかな?」
「あるよ…なにか用事、」
翔太くんは コクリと頷いた