ウラコイ2 銀幕の旦那様
それから数分してリハーサルが始まった
〈翔太目線〉
「お前本当に酒強いな」
市村は 小皿で出てきた料理をつまみながら言う
「親父が強かったらしいからなぁ…」
梅酒ソーダ割りはなかなかおいしかった
みちるさんとわかれた後
市村と飲みに都心からすこし
離れた和食屋に行った
静かでなかなかいいとこだなと思った
何でも市村は叔父さんの
襲名記念パーティーで来たらしい…
まだ 歌舞伎公演の巡業中だと聞いた
「…市村、お前一条さんとはメールしてるのか、」
「たまに…な。時間ができたら電話もしてる、」
「順調か、」
「…そう聞かれたら順調だ。そっちはどうなんだ…槌谷さん。」
市村が 聞き返してきた
「普通。相変わらずだよ、おれは暇だけどあっちは仕事だから」
ふぅんと市村は言った
「…神田、おまえ結婚するんだよな。槌谷さんと…」
「ん…あぁ」
市村はタバコ吸っていいかと聞いた
おれが頷くと素早くタバコに火をつけた