ウラコイ2 銀幕の旦那様
進藤かれん…
おれが高校生の頃に会った
3才年上の人だった
彼女は女優兼モデルだった
美人で嫌みがなく明るくまるで完璧を絵にかいたような人
「へぇキミがあの神田怜一の息子なんだ。似てるね、彼に…」
ドラマかなにかの撮影の時
たまたま現場が近かったせいかよく顔を合わせた
おれはどうもと返した
彼女は おかしそうに笑った
「神田翔太くんか。覚えておくね、あたしはかれん。進藤かれん…好きに呼んでね」
「進藤さん、」
おれは 彼女が苦手なタイプの人だった
明るくて悩みなんかない
いつもすました顔をしていたから
「やだなぁ…、かれんでいいよ。名字呼びはださいからやめて」
「わかりました…」
「敬語もいらない、」
彼女は時間が空いたり
暇な時ちょくちょくおれに話しかけてきた
そのせいかおれは彼女に対する
警戒心もなくなってきていた
「翔太くんはいま高3だっけ、進路どうするの?大学いくの?」
「大学には行かないよ、芝居が早くしたいから…」
彼女は大学に行きながら仕事をしていた
ふぅんとコーヒーを飲んだ