ウラコイ2 銀幕の旦那様
「そう、あなたはガキ。なんにもわかってない……」
「ガキで結構。どうせあの子はおれに近づいてきた訳じゃない。“神田怜一”に似たおれを好きだと勘違いしてただけだ…傷付けられたなんてお互い様だ」
だんだん腹が立ってきて
おれは休憩室を出ようと出口に行った
「…何にもわかってないのね。もひとつおまけに教えておくね、殴らなかった理由。なにもわからない人間を殴っても殴る側に得られるものは何一つないからよ。その人は何もわからないんだから。自分の気持ちもなにもね、そんなのむなしいだけじゃない…自分だけが痛いなんて……」