ウラコイ2 銀幕の旦那様
「髪の毛も黒くなっててチャラさもだ~いぶ抜けてたけど…」
「いくらつっちの頼みだろうーと。ま・だ・だ・め、そういう事言ったらまた調子乗るんだから。甲斐田君」
志摩ちゃんはキッパリ言った
〈翔太目線〉
今日…彼女の母親に会いに伊豆に行く
朝からすっきり晴れていた
まだ残暑で暑い
水野さんが休みなのに
わざわざ駅まで送ってくれた
「ありがとう水野さん。助かりました…」
「いや…僕も休みもらってね、時間があったから…でも不思議だね。休みなのに動いてないとなんか気が休まらないなんて…」
と笑いながら車を止めた
東京駅は人で溢れている
「待ち合わせは何時?」
「12時です。もう…あぁいた」
帽子を深めにかぶりドアに手をかける
「気をつけてね…」
一応変装したから(軽く)ばれない
水野さんはにこりと笑った
「はい。いってきます」
外に出た むっとした空気が頬にあたる
ドアをしめる
水野さんの車はゆっくり遠ざかっていった
みちるさんは同じく深く帽子をかぶっていた
淡い水色の帽子に
クリーム色のカットソーに青のジーンズ