ウラコイ2 銀幕の旦那様
もっと 優しい言葉をかけなきゃならないのに
わたしはなにをしてるの?
こんな小さい子が
だだをこねるみたいに怒鳴って…
「…」
「ごめんなさい、」
美麗さんは首を軽く振った
「あなたが…文句を言うのも当たり前だわ。…わたしはそれだけの事をしてきたんだもの、あなたと潤さんに…」
「…」
わたしはイスに座った
ザザァンと海鳴りがする
「…あなたにはなすわ。全部、わたしがあなたと潤さんを置いてった理由…」
美麗さんはつぶやくように言った。
潤さんと会ったのは
わたしもあの人もまだ駆け出しの時
「わ…すいません、」
「いえ…」
廊下で彼がうろうろ
してるのを見て声をかけたの
「あの…どうされたんですか?さっきから…」
「…あ、えと恥ずかしい話、迷子なんです。あと10分で10階スタジオに行かなきゃならないのに…」
彼はそう言って笑った
それが始まりだった