ウラコイ2 銀幕の旦那様
明るくてお人好しでどこか
抜けているけど仕事には真面目で
私とは逆なあの人をだんだん好きになっていったの
すこしずつ話すようになって
私が売れない女優なんだと話した時も
あの人は馬鹿になんかしなかった…
『大丈夫。まだきっとみんな美麗さんのこと知らないんですよ。少しずつ頑張っていけばいいんです』
そう言って励ましてくれた
いままでそんな風に言って
くれた人はいなかった
すごく嬉しかった
相変わらず脇役ばかりだったけど
私が彼が言ってくれた言葉に救われ頑張ろうと思った
ある日俳優の神田怜一という人と潤さんと仕事が重なった時
潤さんに彼を紹介された
私より売れてる俳優だった
「初めまして、神田怜一です。槌谷の友達です」
「初めまして、美麗です。よろしくお願いします」
神田さんは 目つきは鋭かったけど優しい人だった
槌谷君から私の話を聞いたのか
私を馬鹿にしないで一人の女優として話してくれた
「勿体無いですね、せっかく演技もうまいのにさ。そこいらの大根女優の方が主役なんて、…監督の目ん玉腐ってんじゃないすか?」
皮肉りながらはなす神田さんは
気持ちがいいくらい言葉使いが悪かった