ウラコイ2 銀幕の旦那様
さびしい…
そんなやりばのない思いを
抱えてはわたしは泣いていた
あれから数日
おばあちゃんと二人になるのが気まずくなって
私は街を散策していた
「ねぇ君。」
「はい…?」
振り返ったら、やたら愛想のいい眼鏡のおじさんがいた
「美人だね、芸能界とか興味ない?あ、僕はこういう者だけど…」
いそいそと名刺を出した
断りづらくて私はつい
名刺を受け取ってしまった
「はあ…」
ブルーウェーブプロダクション
担当:米田崇史(ヨネダタケシ)
電話番号(090)****―4237
「でも私興味ないんで…、親…おばあちゃんがそういうの厳しいから…。失礼します」
「うーん、そうか。あ、これ参考にしてよ、じゃあ…」
パンフレットを私に押しつけおじさんは走って行った
「ブルーウェーブプロダクションか…」
女優・アイドル・芸人養成所有り
多くの芸能人所属…
看板女優の顔がでかでか載っていた
「女優か…」
-美人だね。
パンフレットを握りしめてわたしはぼうっと考えていた