ウラコイ2 銀幕の旦那様




「弥生さんから聞いたって言ってたよね…その美麗さんの事、なんて言ってたの」




「……“不器用な人”だって。完璧過ぎて不器用、親父もそう言ってたって、母さんが。俺はよくわからないけど…」



ぐいっとお茶を飲んで翔太君は言った



「…そっか」

















プルル



急に電話の音がした
翔太君は はいと携帯に出た





「あぁ…いるよ、みちるさん。はい」



「え…」



私は電話を受け取った



「もし…」

『ちぃ姉!あたし、めぐみ。いま伊豆?…』




めぐみさんの明るい声がした


「うん」


『話聞いた…の?』



不安そうにめぐみさんは聞いてきた



「うん…。聞いたよ、大丈夫。翔太…神田さんがいるし…」



『…ちぃ姉』



「ありがとう、私は大丈夫だから。電話わざわざありがとね」




『ちぃ姉。…ママ…、美麗さん…を嫌わないでね、自慢出来る親じゃないかもだけど…、すごい優しいの。澄ましてるように本当は見えてすごくすごく優しい…、の』



訴えるめぐみさんの声は
ちょっと切羽詰まっていた



「…うん、」












めぐみさんは ちゃんと帰って来てねと言い電話を切った




< 529 / 600 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop