ウラコイ2 銀幕の旦那様




『…彼女といわゆる男女の関係になった夜、話してくれた。苦しいんだと言った、“自分が望んだ道をいま歩いてる。その事はすごく嬉しい…でもそのせいでいろんな事を犠牲にしてるのが苦しくてたまらない。特に潤さんは私の想いもわかって支えてくれてる。なのに私が苦しいなんてワガママ言えない…”』





ワガママ言えない…



自分で選んだ道

犠牲にしてる人に苦しいなんて言えない










『…ひたすら泣くんだ。そんな彼女を見てたら、僕はどうしようも無くなってね、支えてあげたくなったんだ…。』


『なんていうかな…、美麗には槌谷潤という立派な夫がいる。それは分かってた、…彼をけなした訳じゃないんだ。ただ…彼と僕でバランスをとれたらと思った。美麗を応援する男・一方で慰める男。…どちらも彼女に必要だと思ったんだ、どちらかがいなくなる事を彼女も望まないだろうと僕は考えたからね…』





『どちらも…ですか』



おれが言うと彼はあぁと言った。




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