ウラコイ2 銀幕の旦那様
「みちるさん…」
「お話し中すいません。一条美麗さんのご家族の方ですか、検査が終わりました。先生からお話しがあるそうなので…」
看護士の若い女性がいた
一条さんは 行きますと一言言って立ちあがった
一条さんから私は病室に行っててくれといわれたので
とりあえず言われた番号の病室に向かった
真っ暗で明かりはない
懐中電灯を借りて 廊下の先を照らした
…そういえば 山梨の病院も真っ暗だった
美帆が血相変えて飛んできて私は記憶喪失になっていた…
病室の番号を見つけ一応ノックをした
返事はなかったが、ゆっくりドアを開けた
しんとした病室には美麗さんがいた
白いベッドに横たわっている
窓に相変わらず強い雨風が打ちつけられていた
外はうるさいのに なぜか静かな気がした
「美麗さん」
いつまでこの名前で呼ぶつもりなのだろう
お母さんと呼べばいいのに…
意地を張って…
彼女を許せなくて…
馬鹿みたいだ…