ウラコイ2 銀幕の旦那様
-ただちょっとだけ目印が見えなかっただけなんだ。
-目印?
-そう、目印が小さすぎて見えなかったんだ。その時のお母さんには…小さすぎて…。分からなかったんだ
目印が…見えなかった
うっすらと覚えている父の話。
美麗さんは近くにあったティッシュで涙を拭いた
「見苦しいとこを見せたわね、…私は大丈夫だから。そろそろあの人も帰って来るだろうし…」
「美麗さん…」
彼女も私も同じだった。のだ
このままだったら彼女も迷っていて抜け出せない
彼女の目印は…きっといまの私の言葉だ
彼女を導く言葉
「私…まだあなたの事許せません、…いまもちょっと混乱してる。…けど……少しずつあなたを許していきたい…です。許すという言葉が正しいかはわからないけど……。」
-自慢出来るような親じゃないけどすごく優しいの。
「…けどやっぱりあなたは私の…母親だから、…」
お母さん…