ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…それに…このままずっとこうだったらお父さんはきっと喜ばない…」
「…みちる」
「しょ…神田くんも…言ってくれたんです。“ゆっくり受け入れていけばいいんじゃないか、今すぐじゃなくてもいい”って…。なら私もゆっくりあなたを受け入れようて…」
悪いことも良いことも…少しずつ。
急ぐことなくけれど確かに…
「あなたとはちゃんと話したいんです…色んなこと。お父さんや…怜一さんみたいにいなくなってから後悔するのは…もう嫌なんです。…もう……置いていかれるのは……」
-お父さん、
-怜一さん。
「…っ、ひっく……」
「泣かないで。…大丈夫よ、置いていかないわ」
ベッドに突っ伏した
涙が出た 止まらなかった
置いていかないで。
「ずっと我慢させてごめんね、みちる」
彼女のことはまだわからない
けど 私の背中をさする手は優しく温かかった
それだけは本当だと感じた