ウラコイ2 銀幕の旦那様
結婚かぁ…
〈翔太目線〉
「昭和ラブロマンス舞台化ですか…」
おれは事務所で資料を読みながら呟いた
「ちょうど…30年だから。神田怜一さんを偲ぶ事もかねていると主催者側の人間も言っていたよ、」
マネージャーの水野さんは言った
「30年ですか…」
「人気があった映画だからね。わざわざ神田君にもってきたのは多分親父さんが主演だった事も少しは関係してるかもしれない…。もし神田君が受けるならこぞってメディアが比較してくる…」
「…」
親父が主演男優賞をとった映画。
小さな頃親父の部屋をあさってる時に見つけた台本
夢中になって読みふけった。夜も忘れて…
「水野さん…、舞台練習はいつからですか?」
「え…」
水野さんは はっと資料をめくった
「あ…と来月からだね。会見発表が今月末にあるから…」
「…間に合いますね、おれ出ます。水野さん…」