ウラコイ2 銀幕の旦那様
まず彼は 言いにくそうに
もしかしたら前に好きだった人と共演するかもしれないんだ
と言った
翔太君と会えたのは3日ぶりくらい
仕事が忙しくなかなか会えなかった
「…好きだった人?」
「そう…進藤かれん。女優でおれが高校生の時つき合いがあったんだ、いまはアメリカで女優をしてる」
女優…進藤かれん…
なかなか頭の中でその二つが結びつかなかった
「…そうなんだ。」
「でももう別れてるし、連絡も一切してない。誓ってもいい、海外にいた3年間の内にも会うことはない…だから、」
「うん。」
翔太君は 複雑な顔で言った
「でも…彼女が初めてだったんだ。初めて芸能界でおれを叱ってくれた。優しい人だった。おれを好きだと言ってくれた。でも自分の方から突き放したんだ。面倒くさかったから…最悪だよな」
「そんな…まだ若かったんだから。誰にでもあるよ…」
過去は誰にでもある。
わたしは受け入れると決めたのだ
「……また会えたなら話をしたらいいじゃない。きっと翔太君だって成長してるし、今だから出来る話もあるよ」
元気のなくなった翔太君にわたしは笑いながら話した
「ありがとう、優し過ぎるよ。みちるさん」