ウラコイ2 銀幕の旦那様
〈翔太目線〉















「神田君、おはよう、よろしくね。今日ちょっと長くなるかもだけど…」


「おはようございます。よろしくお願いします」



軽く頭を下げオーディション会場の席に座った





今日は 昭和ラブロマンスの配役決め

オーディションの日だ



主役のおれと監督、舞台演出、脚本家…で審査をする











複雑な気分だった。


もちろん オーディションに進藤かれんがいる事もだが…


自分みたいな若造が選ぶ立場にいる





まだ俳優としても未熟なのに…





「やぁ…神田君。どうしたの、緊張してるのかい?」




隣の席の向井監督がはははと笑った



「はい…ちょっと。選ぶ立場になったのは初めてなもので…」


「そうか。…まぁ感じることはあるだろうけど。主役なんだから自信を持って。君の相手役なんだ、君と波長が合わなかったら意味がない、文字通り舞台が台無しになってしまうからね」




「…はい」





台無し…
それだけはさけたい




選ばれたからにはちゃんと選ばなければ











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