ウラコイ2 銀幕の旦那様



「はい、」






台本を持ち 立ち上がる




「じゃあ、はじめて」





監督から言われてセリフを言う





「『…彼女はなんでもないよ』」




「『なんでもないわけないわ!!気付いていないの?私といたときはあんな目で私を見てくれた事なんかなかった…。あんな優しくしてくれなかった』」



「『-優しくしたじゃないか』」



「『違うわ。…わからないの、あなた?』」



バカにしたような京子の声が薫をさらに罵る




「『…だから何だ、俺はなにも悪い事はしちゃいないさ。お前こそ桜にいちゃもんばかりつけて、憎たらしいんだろ。直接ぶつけられないから俺に言っているんだろう』」

罵られた以上の冷たさで皮肉を返す薫




彼はそういう事は得意なのだ




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