ウラコイ2 銀幕の旦那様
オーディションはその日のうちに終わった
結果はまた後日
だが今日のオーディションで大半の役どころは決まった
「お疲れ様でした~」
「お疲れさまー」
監督やスタッフの人達と別れた後駐車場に向かった
水野さんが車を回してくれてるはずだ
夜中だがまだ少し蒸し暑い
みちるさんにメールか電話しようかな…
携帯電話を何気なく取り出した
「神田くん。」
「……」
「おつかれさまです。待ってたの。ちょっと図々しいけど、会えるかなと思って…久しぶりね、元気にしてた?」
進藤かれんは俺に笑った
「…久しぶりです。進藤さん。」
「…えぇ、びっくりしちゃった。『昭和ラブロマンス』のオーディションにきたらあなたが主役でいるんだもの」
びっくりしてたのか あの態度…。
ふふ と彼女は笑った
「あなたのお父様の代表作だものね…当たり前か」
まるで 高校生の頃に戻ったみたいに声がうまく出なかった
「…進藤さん。話しをしたいのは山々なんですが次の仕事があるんです。すいません」