ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…まだ。来年にしようかなと考えます、今日の会見でちょっと彼女がいるということを言おうかと考えてるとこです」
「来年…ですか。」
「舞台で忙しいし、多分今年中にはちょっと難しいし…。」
待たせてしまってるのは悪いと思う
けど この舞台が終わったら
親父が演じた薫を演じきれた後には絶対に結婚する
おれはこの舞台に賭けてる
「…そっか。ありがとうございます、ほっとしました。」
志摩さんは 頭を下げた
「志摩さん」
「はい、」
彼女はみちるさんと親しい
「槌谷さんから何か聞きましたか」
「いいえ、特に。でもちょっぴり不安そうな顔してる時が何回かあったから…それは気になったけど」
不安そうに。
隠してるのだろうか
おれに。
「神田くん、ちょっといいかな、」
マネージャーの水野さんに呼ばれたから、とりあえず彼女とは別れた
「今日の会見のことなんだけどね、」
控え室で水野さんがそう切り出した
「まあ社長は納得してるし大方大丈夫だろうけど、本当に神田くんは大丈夫なのかって上から聞かれてね」