ウラコイ2 銀幕の旦那様
-みちる
彼女はいつもわたしの近くにいてくれた
でも……いつまでも近くにいてはいけない。
分かってるの。
「…泣いちゃダメだからあたしは泣かないんだから」
鼻をすすりながら美帆は言った
顔はすでに泣きそうだった。
「…あたしよりあんたが幸せにならなきゃ駄目なのに…ごめんね」
「何言ってるの、わたしは幸せだよ。じゅーぶん幸せ。おめでとう、美帆」
わたしはぎゅっと美帆の手を握った
手袋に包まれた手は温かかった
「あたしはずっと、結婚してもみちるの一番近くにいる…」
手を握り返しながら、美帆は微笑んでくれた
「…うん。」