ウラコイ2 銀幕の旦那様
「なぜ市村勘十郎。…歌舞伎の公演かしらね、て神田弟いないー」
美帆は 地団駄をふんだ
お昼…
忙しいのでお弁当を
もらい休憩所でご飯を食べた
「なんか、怜一さん知ってるみたい。翔太君と話してたね…」
「…モテモテじゃないー。女優にも役者にも。やっぱり血かしらね、」
「そうかもね。」
美帆は お茶をがぶ
飲みしながら言った
「ちょっと落ち込み過ぎ。大丈夫だって旦那は、俳優としての付き合いで…ほら、」
分かってる
分かってるのに…
「美帆。わたし…だめなの、最近ね翔太君見てるとキツい。前はそう思わなかったけど…、」
「……キツいて仕事が?」
「仕事も少し…、色々気持ちがついてかない」
「……話しした方がいいわよ、旦那に。ちょい麻痺してんのよ、あんた」
ポンポンと美帆は
背中をさすってくれた
「……」
蝉がやたら煩くなく声が耳に響いた