ウラコイ2 銀幕の旦那様
「……みちるさん」
風がびゅうっと吹いてきた
翔太君の着物が揺れる
「…なに?」
「告白…。されたんだろ、岩井さんに…」
「…え。」
知ってるの?
「…聞いたんだ。本人に、」
「そうなの。うん…でも断るよ、わたし、先輩をそういう風に見れないから…」
見れない…
優しくて同じカメラマン仲間
わたしを心配してくれている
きっと悩むことも
泣くこともない……
翔太君はふっと笑った
「…うん。分かってる、」
「本当だよ。翔太君…」
「…うん。」
仕事も順調にいって
友達も
幸せになろうとしてる…
私を好きだと
言ってくれる人がいる…
嬉しい。
それは嘘じゃない…
本当。