ウラコイ2 銀幕の旦那様
「まぁ…ある程度付き合いてもんがあるけどさ。あんた結局なぁんにも話してないんでしょ」
「…うん。」
やっぱりね と言った
「言わなきゃ分からないわよ。例え相手を傷付ける言葉でも言わない方が、まだ傷付けてんだから…」
わかってるよ…。
翔太君は笑っていた
「……うん。」
美帆は あぁーと頭をかいた
「あんたたち結婚すんでしょ…?今そんなんでどうするのよ!………」
コンコンとドアが叩かれた
美帆は、誰よ。と叫んだ
「工藤だよ。」
ドアまで行って勢いよく開けた
「なによ旬。いま取り込んでんだけど…」
「美帆さん元気だね。廊下まで聞こえてたよ」
「悪かったわね。」
とりあえず
工藤君を中に入れた
「…ねぇ美帆さん。さっき話聞いてたから分かるんだけど、神田さんやっぱり祇園行くみたいだよ。」
淡々と工藤君は話した
美帆は どこよと聞き返した
「『櫻屋』。どうせ行くんだろ?」
ふっと工藤君は
笑顔で私と美帆を見た