ウラコイ2 銀幕の旦那様
女優なんかならなくていい…
ざぁあと強い風が吹く
こわい…
ふとそんな風に感じたのは夜だからだろうか
「確かに世界は同じ方が楽だ。でも…そういう事と恋愛は違う。みちるさんは俳優の事なんか知らずただ俺の傍にいて笑ってればいい…そんな悩まなくていい、彼女なんだから」
私の手をぎゅっと握った
「…うん。」
「あんまり頑張らないでよ。」
世界は違うけど…。
女優にはなれないけど…
考えてもキリがない…
「…安心した?」
「ありがと……」
いいやと首を振った。
「帰ろうか、海江田監督と市村さんはもういないし…」
「…そうなの、そ、だね明日撮影だし。」
翔太君と一緒に立って部屋の外に出た
「兄様お帰りになりますか」
さっき見た小さな女の子が廊下にあらわれていた
「帰るよ、ありがとう。」
たたっと女の子は奥に走って行った
「…びっくりした。あの子さっきも居たよね…なんで…」
「『櫻屋』の孫娘の美弥ちゃん。お手伝いしてるんだって…みちるさんのいる所すぐ見つけてくれたんだ…」