ウラコイ2 銀幕の旦那様
「みちる親も兄弟もいなかったから。優しくされて…千広先輩を“お兄さん”みたいに慕っちゃって…。…んでそのうち好きかもーに変わり始めた頃に千広先輩は米国に行って…」
慕う気持ちがいつしか好意に…
あり得ない話じゃない
「…岩井さんはみちるさんの気持ちを知ってたんですか」
「わからない。けど、何となくは気付いてたと思うわよ、明らかに好意と尊敬の気持ちは違うから…。だから告ったのよ…まぁ玉砕だけど」
「…へぇ。」
神田弟は遠くを見るみたいに目を細めた
ちょっと寂しそう
「……」
私は明るく皮肉りながら話した
「でも全部過去の話。みちるも、今はアンタしか見てないし…、過去なんてどーにもならないもん気にしても仕方ないし…」
「分かってますよ」
「…こんな話して悪かったわ。けど知っといて欲しかったの。あんた達、これからも続けていくんでしょ…」
「もちろん。ありがとうございます、町谷さん。」
素直に礼を言う神田弟…
「まぁいいけど……何よその笑顔は!」
「…俺も大分信頼されてきたんだなぁて……。」
嫌らしい笑みを
浮かべて神田弟は言った