春夏秋冬のキセキ
「義人さん……彼女は……彼女は……」
「雪で車を滑らして…だから……僕は嫌いだ…雪なんて」
自分が嫌いだと言われたみたいだった。
「……私は好き」
「どうして……彼女を……彼女をっ!!」
「綺麗じゃないですか。こんなにも真っ白で、とても真っ直ぐで美しく。柔らかくて……私は雪が好きです。」
義人さんは黙り込む
「私、母を見たことないんです。…私を産んだと同時に捨て、逃げたんです新しい男と一緒に」
ピタリと義人さんは止まり、ゆっくりと私を見た。